当院の特徴
当院は、小児科・児童精神科の診療を軸に、お子さんと保護者の方を一貫して支える体制を整えています。
身体疾患については小児科専門医である院長がしっかりと診察を行い、必要に応じて地域の医療機関と連携しております。紹介元・紹介先の先生方とは密に情報共有を行い、適切な医療につながるよう支援させていただいています。
お子さんが社会の中で成長していく中で、「診察室の中だけ」「お子さんへの支援だけ」では完結できないことも少なくありません。
当院では、児童精神科外来をはじめとする専門外来での評価・治療に加え、診療外の支援も充実させて総合的に対応しています。
看護師・心理士・精神保健福祉士・ダンスセラピストなど多職種が連携し、「困りごとの整理と評価」「必要な医療の介入」「適切な支援の導入」「安心できる居場所の提供」「必要に応じた保護者の方のサポート」をワンストップで行っています。
教育機関・福祉機関・行政機関など「院外でお子さんや保護者の方を支援する関連機関」とも連携し、当院で評価した困り感や特性などを共有しています。必要に応じて対応の工夫についての助言を行い、適切な支援の導入を進めます。
また、お子さんが当院に受診歴がなくても全国どこからでも利用可能なオンライン相談室~いこい~を設置しており、「子どもにどう対応していいかわからない」などの保護者の方のお悩みに対して、専門の心理士が状況を整理し、対応の工夫や支援先についてお伝えしています。
さらに、個々のケースの支援にとどまらず、支援者全体への支援についても積極的に取り組んでいます。
支援者向けの講義や講演を積極的に引き受けるほか、オンラインセミナーを主催し、お子さんや保護者の方を支援するすべての支援者が学ぶことができる機会を広げ、支援全体の質が高まるようにさまざまな角度から取り組んでいます。
当院の理念に共感してくださる企業・法人の皆さまへ向けても、従業員の育児支援やメンタルヘルス対策など、組織全体の健康づくりを支援し、子育てのしやすい社会を目指して活動しています。ニーズに応じた講演・研修、オンライン相談室の福利厚生導入などに加え、医療×ダンスなど当院独自の取り組みも活かした企画にも対応させていただいています。
当院で対応、利用案内している支援や制度の一例
児童思春期指導支援加算
当院では、児童精神科外来に通院されているお子さんへ児童思春期支援指導加算(20歳未満が対象)を算定させていただいており、主治医による診療以外でも多職種で関わらせていただいています。
日常生活の場面においての環境調整は非常に重要であり
- 適切な支援が受けられるように
- どんな支援が受けられるのかを知り
- 支援者にもきちんと本人の特性について理解してもらう
など多方面からアプローチを行っています。
診断や治療方針の検討などはもちろん主治医が行いますが、診察時間内だけでは伝えることが難しいことや各専門職が伝えることが望ましいことについては、児童思春期支援指導の枠内でお伝えさせていただいています。
主治医の診療と合わせて治療の軸になる部分となりますので「より良い支援のため主治医の診察以外の時間で多職種がお話をさせていただく時間がある」ことについてご理解いただいた上で初診の予約をお取りいただきますようお願いしております。
心理支援の一例としては
- 心理検査のフィードバック
- マルトリートメントについての情報提供
- スクールカウンセラーについての情報提供
- 放課後等デイサービスについての情報提供
看護支援の一例としては
- 訪問看護についての情報提供と実施
精神保健福祉士支援の一例としては
- 現在の状況の定期的なヒアリング
- 関連機関との連携
- 利用できる制度についての情報提供と申請補助
などがあり、いずれも必要に応じて主治医の指示のもと実施させていただいています。
なお、当院の児童思春期支援指導については保険内でのみ実施しており、カウンセリングなどの保険適応がないものについては実施しておりませんのでご注意ください。(カウンセリングをご希望の場合は外部機関を紹介させていただいています。保護者の方が相談したいことがある場合は「オンライン相談室~いこい~」を案内させていただいています。)
訪問看護
訪問看護とは
主治医の指示のもと看護師などがご自宅に訪問してその方の疾患や障がいに応じた看護を行うサービスです。地域で暮らす赤ちゃんから高齢者まですべての年代の方が対象で、関係職種と連携して一人ひとりに必要な支援を提供することによってご自宅や施設などでの生活を支えます。
利用にあたっては主治医が発行する「訪問看護指示書」が必要となり、主治医の指示に基づいて計画を立てて医療処置やケアを実施します。
※当院に通院中の場合は、院内の看護師が訪問することが可能でありその際は「訪問看護指示書」は必要ありません(主治医がカルテ内で訪問の指示を記載します)
身体疾患や加齢にともない支援が必要な方に対しての訪問看護
健康状態の観察(バイタルサイン測定、症状、食事・睡眠・排泄の状況など)、服薬管理、療養生活の相談、リハビリテーション、つらい症状の緩和ケア(マッサージ、温罨法など)、点滴・注射、痰の吸引などの医療処置、排便コントロール(浣腸など)、入浴介助などの保清ケア、緊急時の対応、主治医・ケアマネージャー・薬剤師・歯科医師等との連携など、多岐にわたります。
精神科疾患・発達特性がある方に対しての精神科訪問看護
上記の一般的なケアに加えて、精神科訪問看護ならではの支援を行います。
診察時間内だけでは相談できない悩みや困りごとについても、訪問看護スタッフがゆっくり時間をかけてと共有して、一緒に対策を考えることができます。また必要に応じて、実際の生活場面での具体的なケアや指導も行います。
訪問の主体は看護師(精神科訪問看護師)ですが必要に応じて精神保健福祉士(PSW)や作業療法士(OT)も訪問することもあり、多職種による総合的な支援が可能です。
※精神科訪問看護師とは:精神科領域の専門研修を修了受講、もしくは精神科病棟・精神科外来での勤務経験が1年以上ある看護師を指します
※当院では、専門研修の終了のみで臨床経験が乏しいといったことが無いことを重視しており、小児科・児童精神科での臨床経験がともに1年以上ある看護師が訪問させていただいており、より専門的な関わりが可能です
※当院には作業療法士は在籍しておらず、また精神保健福祉士は来院時の対応のみとなっているため、現状では訪問は看護師のみとなっております
精神科訪問看護の内容(具体例)
症状の評価
毎回の訪問で体調や精神症状の変化などを評価するとともに利用者ご本人やご家族の方からお話を聞かせていただいて総合的に評価します。定期的に関わることで、些細な変化を見逃さず早期に対応することが可能です。看護師の訪問の場合はお話させていただく中で精神症状の確認はもちろん、血圧測定など身体面の観察も行います。身体面・精神面の両側からの情報は、診察時に適切な治療判断をするための大切な材料となります。
生活リズムの調整
「夜眠れない」「朝起きられない」といった生活リズムの乱れなどの症状がある場合、原因となりうる要素を探り、改善策を一緒に考えさせていただきます。例えば、「部屋の明るさや音」「就寝前の過ごし方」といった生活環境についての助言をして睡眠に良い環境を整備したり、熟睡感や日中の眠気などから「本当に必要な睡眠時間を少なく考えすぎてないか」など睡眠についての捉え方の修正もさせていただきます。生活リズムの乱れは症状の変動にもつながりやすいため、生活習慣全般についてサポートします。
服薬の支援
医師から処方された薬を適切な方法で飲めるように、ご本人の生活の中でどのように「お薬を飲むこと」を組み込んでいけばよいかを一緒に考えます。毎回の訪問時に服薬状況を確認するだけでなく、飲み忘れてしまう場合は「飲む時間やタイミングを決めてみる」「お薬の置き場所を工夫してみる」などを考えます。服薬による体調や気分の変化も観察して主治医へうまく伝えられるようにサポートも行います。
なお、服薬の必要性や用法用量の調整などの判断自体は医師が行うため、看護師から「薬が合わないので減らしたり中止した方がいい」「こっちのお薬を飲んだ方がいい」などといったお話をすることは認められておらず、主治医が判断をしやすくなるように情報提供のサポートさせていただきます。
主治医との連携
限られた診察時間の中では(再診の診療時間は一般的に5~10分程度)伝えたいことをすべて伝えることができなかったり、どの情報を優先して伝えるべきなのかを悩んでしまうことがあります。
訪問看護を利用していただくことで、日々の訪問の中で「どの情報を優先して主治医に伝えるべきか」を一緒に整理することができます。
また、訪問看護では毎月、主治医への報告書を作成して情報を共有しており、利用者ご本人やご家族からの情報提供だけの場合と比べて、より診察がスムーズになるように支援しています。
さらに、緊急時は看護師が速やかに対応して適切な処置を行うとともに、主治医へも報告・相談して「診察予約日の変更」など指示を仰ぎます。
よくあるお問い合わせ
Q1:訪問看護の頻度はどのくらいですか?
A1:一般的には週1~2回程度ですが、症状が不安定な時期は必要に応じて週3回まで訪問させていただく場合もあます。例外として、医師が「頻回の訪問が必要である」と判断して「特別訪問看護指示書」を発行した場合は、最長2週間は毎日訪問させていただけます。1回の訪問時間は30分~90分と定められており、大体1時間程度であることが多いです。利用者ご本人の調子やご家族の希望などに応じて柔軟に調整できます。
Q2:訪問看護にかかる費用はどのくらいですか?
A2:訪問看護は医療保険が適応され、さらに各種公費負担制度の利用も可能なため、自己負担額は大きく軽減されます。京都市にお住まいのお子さんの場合は「子ども医療費助成制度」によって、小学生までは200円/月、中学生までは1500円/月の自己負担となります。また、精神科訪問看護の場合は、公的制度ある「自立支援医療(精神通院医療)」の対象となり、医療保険上は自己負担が原則1割になります。
※地域や所得によって異なりますので詳細は訪問看護利用時に事業所にご確認ください
まとめ
訪問看護はご本人だけでなくご家族にも寄り添い、主治医との橋渡し役として関わりながら、家族全体としてより良い生活を目指すための支援サービスです。
「他人を家に入ることが不安である」と訪問自体に抵抗を感じられる方もおられます。その場合は、無理のない形で慣れていけるように段階的に導入することも可能です。例えば、慣れるまでは短時間の顔合わせ程度から始めたり、利用者ご本人の不安や緊張が強い場合はご家族のみとの面談から導入していくなど、柔軟な対応が可能な訪問看護事業所もあります。
また、ご家庭の状況に応じて、必要があればご家族を対象とした訪問が可能な場合もあります。
※ご家族自身の受診と主治医による指示書の発行が必要となります。
※当院では児童精神科へ通院中の保護者の方の診察にも対応しており、指示書の発行も可能です。
訪問看護は、利用者本人・ご家族が少しでも安心して生活できるようになるための「手段のひとつ」であり、一度始めたからといって漫然と続けるものではありません。状態の改善や困りごとの解決、設定した目標の達成などにより利用の必要性がなくなれば、主治医と共有のうえ訪問看護指示は終了となり、訪問看護は晴れて卒業となります。もちろん症状が再燃した場合は再開することも可能ですのでご安心ください。
訪問看護を開始する前は、「どんなことするの?」「本当に必要?」と迷われる方は少なくありません。この情報提供が、少しでもそういった不安を解消することができて、適切な支援を受けるきっかけのひとつになればと思います。
精神障害者保健福祉手帳
制度概要
精神疾患(神経発達症、うつ病、双極性障害、統合失調症など)により、日常生活や社会生活に長期的な制限がある方の自立した生活と社会参加を助けるための制度です。障害の程度が重いものから順に1級・2級・3級に区分されます。
精神障害者保健福祉手帳を取得することで、税金の軽減、公共交通機関の運賃割引、就労支援制度の活用など、さまざまな社会的支援を受けることができます。
※お子さんが精神障害者保健福祉手帳を持っている場合でも、保護者の方の所得税の軽減が適応されます。
対象・申請条件
- 精神疾患(神経発達症、うつ病、双極性障害、統合失調症など)の診断を受けており、長期にわたり日常生活や社会生活に制約がある方
- その精神疾患での初診から6か月以上経過していること
上記2点を満たしている必要があります
申請方法
①市区町村の障害福祉窓口で精神障害者保健福祉手帳を取得したいことを伝え、申請書類を受け取ってください。
②主治医へ診断書の作成について相談してください。
※当院では「児童精神科外来」「産前・産後ママ外来」「保護者のこころ外来」に継続して通院中で特性や経過について把握できていると主治医が判断した場合、診断書の作成が可能です。作成には1週間程度の期間をいただいております
③申請書や診断書などの必要書類を市区町村の窓口に提出してください。
④申請に基づく審査で等級が決定し、審査結果通知が届きます。(約2ヵ月)
⑤申請した窓口で精神障害者保健福祉手帳を受け取ってください。
有効期間
交付日から2年後の申請付きの末日となります。
※更新期日は精神障害者保健福祉手帳に記載されており、有効期限の3ヵ月前から更新手続きが可能です
療育手帳
制度概要
知的障害があると判定された方に交付される手帳です。療育手帳を取得することで、税金の軽減、医療費の助成、公共施設の割引、就労支援制度の活用など、さまざまな社会的支援を受けることができます。学校においては、支援級の利用や対応方針の決定において療育手帳の有無が参考となる事もあるなど、日常生活の中で適切な支援を受けるためにも重要な制度です。
※療育手帳は都道府県知事または政令指定都市の長が交付しており、名称や区分方法は交付元により異なることがあります。
例
京都府:療育手帳 等級区分:A(最重度・重度)B(中度・軽度)
京都市:療育手帳 等級区分:A(最重度・重度)B(中度・軽度)
大阪府:療育手帳 等級区分:A(重度)B1(中度)B2(軽度)
大阪市:療育手帳 等級区分:A(重度)B1(中度)B2(軽度)
兵庫県:療育手帳 等級区分:A(重度)B1(中度)B2(軽度)
滋賀県:療育手帳 等級区分:A1(最重度)A2(重度)B1(中度)B2(軽度)
奈良県:療育手帳 等級区分:A1(最重度)A2(重度)B1(中度)B2(軽度)
東京都:愛の手帳 等級区分:1度(最重度)2度(重度)3度(中度)4度(軽度)
青森県:愛護手帳 等級区分:A(重度)B(重度以外)
埼玉県:みどりの手帳 等級区分:Ⓐ(最重度)A(重度)B(中度)C(軽度)
対象・申請条件
- 児童相談所(18歳以上の場合は知的障害者更生相談所)において知的障害があると判定された方
※京都府の場合、京都市児童福祉センター、京都市第二児童福祉センター及びこころの健康増進センターが判定機関となります
※知的障害の判定は判定機関で行う必要があり、同一の検査であっても他の医療機関などでの検査結果を用いることはできません - 神経発達症が主体であっても、知的障害を伴っている場合は交付の対象となることがあります。
申請窓口と申請の手順
①お住まいの市区町村の障害福祉課の窓口で申請書を受け取ってください
※市区町村のWEBサイトから入手できることもあります
②申請書と必要書類をそろえて窓口へ提出してください。その際、知的障害の判定を受けるための予約を取ります。(数ヵ月の待期期間が生じる場合があります)
③指定された機関で判定を受けてください。
④判定を受けてから約2ヵ月程度で交付や区分が決定します。
有効期間
原則として「次回判定年月」が設けられ、手帳に記載されます。
更新が必要な場合は再判定を受ける必要があり、有効期限の3ヵ月前から更新手続きが可能となる事が多いです。
※「障害の程度が安定し、今後変化する可能性が低い」と判断された場合は期限がない手帳が交付されることもあります
特別児童扶養手当
制度概要
身体や精神に一定の障害のある20歳未満のお子さんが家庭にいる場合に受けることができる手当で、年3回に分けて口座に振り込まれます。障害の程度により等級1、等級2に区分され、支給額が異なります。
※所得制限があります
対象・申請条件
- 20歳未満で日本に在住されている方
- 政令で定める障害状態
- 受給者と配偶者、扶養義務者の前年の所得が一定額を超えていないこと(扶養親族等の数により変化あり)
- 対象となるお子さんが児童福祉施設等(母子生活支援施設、保育所、ショートステイを除く)に入所していないこと
※精神障害者福祉手帳のように「通院期間要件」は条件に入っていませんが、お子さんの状態や経過を十分に把握できていない場合は医療機関による診断書の作成が困難と判断される場合があります。当院でも、一定期間の継続通院により状態を把握できている方(かかりつけの方)に限り、診断書を作成させていただいています。
申請窓口と申請の手順
①お住まいの区役所の障害保健福祉課へ事前相談し、必要な様式の書類を受け取ってください(請求者によって書式が異なります)
②主治医へ診断書の作成について相談してください。
※当院では「児童精神科外来」に継続して通院中で特性や経過について把握できていると主治医が判断した場合、診断書の作成が可能です。作成には1週間程度の期間をいただいております
※療育手帳Aをお持ちの場合は診断書を省略できる場合があります
③申請書や診断書などの必要書類を市区町村の窓口に提出してください。
④申請に基づく審査で認定され、等級が決定します。(約1~3ヵ月)
⑤認定されると、請求された月の翌月分から手当が支給されます。
有効期間
受給中は毎年「所得状況届」の提出が必要となります。(未提出は支給停止、2年間未提出で資格喪失となります)
※受付期間は8月22日~9月11日となっております。
有期認定期限がある場合は継続して手当を受けられるかどうか「障害状況届(診断書が必要)」を提出して判定・審査を受けます。
※京都市では提出期限の2ヵ月前に更新手続きの案内が送られてきます。
