産後ママ外来
背景と概要
出産はお母さんにとって非常に大きな負荷がかかる出来事であり、さらに出産直後からは育児が始まるためゆっくりと休まる暇がありません。
「産後うつ」とうい言葉を聞いたことがある方もおられるかと思いますが、出産により精神的に不安定になるお母さんは少なくなく、約30%のお母さんが出産後に精神的な不調を経験するというデータもあります。
ほとんどの場合は一時的なもので自然に軽快しますが、中には重症化してしまうこともあるため、しっかりとした支援体制と、必要に応じた介入を行うことが非常に大切です。
しかし、乳幼児健診など産後のお母さんと関わる現場では、「出産を乗り越えて、そのまま育児を頑張り続けている中で頼るところが少なくて疲れてしまっているお母さん」が少なからずおられるという現実があり、
- 現在の状態の評価とその状態に応じた適切な休養などの指導
- 過剰になっている負荷を軽減するために訪問看護などの導入
- 不安、不眠などの症状に対する薬物療法などの治療介入
など、精神科医療の視点から必要と判断される対応が行えていないことがあります。
そこで、以下と連携して「産後ママ外来」の開設に至りました。
- 産後のお母さんに対して医療的な評価や介入ができる女性医師
- クリニックの周辺を対象として訪問看護を提供できる看護師
- たくさんの産後のお母さんや赤ちゃんと関わっている集団健診のスタッフの方々
初診の受診対象とさせていただくのは、当院に受診歴のある、もしくは受診予約のある(予防接種などでも可)生後1歳までお子さんがおられるお母さんとさせていただきます。
※現状では外来通院期間は具体的には定めていませんが、長期になる場合は移行先の外来枠も設けさせていただく予定です。
産後のお母さんが、少しでも悩みを話しやすい環境にするため、男性医師である院長ではなく女性医師が担当させていただきます。
(非常勤医師が担当するため、受診枠に限りがありますがご理解ください)
さらに、担当医は精神科を専門的に診療ができる医師であるため、必要に応じて訪問看護指示を行い、通院だけでなく自宅での生活の支援まで幅広く対応可能です。
診断書の作成や自立支援医療についても対応しています。
薬物療法を要する場合にも「産後ママ外来」内で対応させていただきます。
また、赤ちゃんが風邪をひいた時などはもちろん一般小児外来で対応することが可能です。予防接種や健診についても対応しています。産後で時間や体力的に余裕が少ないお母さんにとって、一つの医療機関で完結できることが多いということが支援になると考えています。
当クリニックで実施している、ショートケア・プログラム「あかり」も、もちろんご利用できます。
赤ちゃん自身にも支援が必要だと判断された場合には、赤ちゃんへの診断書作成や訪問看護指示も可能です。
※児童精神科外来の初診を希望の場合は別途ご予約していただく必要がございます。
※詳細はリンクよりご確認ください。
当クリニックで、産後のお母さんと赤ちゃんを包括的に対応することによって少しでも負担が少なくなっていただければと考えています。
予約方法
ご予約はWEB予約には対応しておらず、お電話のみで承っています。
お電話の際に
- お子さんの当院の受診歴やご予約の状況
- お子さんの月齢
などをご確認させていただいた上でご予約をお取りさせていただきます。