子宮頸がんワクチンのキャッチアップ接種の経過措置について ~3月31日までの初回接種をお勧めします~

日々たくさんのお子さんに予防接種をさせていただいています。
各ワクチンには推奨接種時期が設定されており、
公費で接種が可能なものと、自費負担が必要なものがあります。
また、開始時期によっては接種するワクチンが異なる場合があり
スケジュール管理が複雑です。
特に子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)につきましては、
キャッチアップ接種という制度があり、最近では経過措置が発表されるなど
公費での接種が可能であるかどうかが非常にわかりにくくなっており
連日多くのお問い合わせをいただいています。

今回のブログでは、
子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)のキャッチアップ接種の経過措置について
書かせていただきます。
以前のブログでも記載していますが、
子宮頸がんは日本において
年間約10000人の女性が罹患し、約2900人が命を落としています。
ワクチンの接種と子宮頸がん検診で予防することができる疾患です。
ワクチンについては、すでに生じている病変の進行予防効果は無いため、
HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染リスクが上がる前の接種が大切です。
※20歳以上の方は1~2年に1回は子宮がん検診を受けることが推奨されています
公費で接種が可能な子宮頸がんのワクチンは
・サーバリックス(2価)
・ガーダシル(4価)
・シルガード(9価)
の3種類がありいずれも公費での接種が可能となっています。
※価数はワクチンが対応できるHPV(ヒトパピローマウイルス)の型の数であり
数字が大きいほどより多くのウイルスの型に対応しています
シルガード9は
HPV6、11、16、18、31、33、45、52、58型の
感染を防ぐワクチンで
日本人の子宮頸がんの原因となるHPV型の
88.2%をカバーしています。
※接種さえすれば完全に子宮頸がんを防げるわけではありません
子宮頸がんワクチンについては
積極的な接種推奨の差し控え時期があったため
接種機会を逃した方に対して
キャッチアップ接種という制度があり、複雑でしたが
今回『キャッチアップ接種の経過措置』が決定したことで
より多くの人が公費で接種できることにはなったのですが
より煩雑にもなってしまい
発表以降、連日多くのお問い合わせをいただいています。

現在公費での接種が対象となる方については
- 小学6年生から高校1年生相当の女子(通常の定期接種期間)
- 1997年度生まれから2007年度生まれの女性(キャッチアップ接種対象者)
となっております。
キャッチアップ接種期間は2025年3月31日まででしたが
接種が大幅に増えてワクチンの供給が追い付かなかったことを踏まえて
今回の『キャッチアップ接種の経過措置』によって
- 2025年3月31日までに初回接種をしていれば2026年3月31日までは公費での接種が可能
となりました。
キャッチアップ接種の対象でまだ初回接種をされていない場合は
2025年3月31日までの接種開始をお勧めします。
その後2026年3月31日までに残り2回の接種を行えば全てを公費で接種することが可能です。
様々な取り組みを行っており
WEBサイトや各種SNSを通じて情報を発信させていただいていますが
まだまだ十分に届いているとは言えず、
「こんな外来や取り組みがあるなんて知らなかった」
「知っていたらもっと早く受診(利用)していたのに」
といったお声をいただく度に
ありがたくももどかしく感じております。
はせがわこどもクリニックの取り組みを知っていただいている皆さんの周りに
知らずに困っている方がおられたら是非お伝えしていただければ幸いです。

今回は、
子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)のキャッチアップ接種の経過措置について
書かせていただきました。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。
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